新施設建設計画が市民サービスに影響を−１

ふくおか県央環境広域施設組合

平成31年4月1日、飯塚市、嘉麻市、桂川町、小竹町の4市町を構成団体とする「ふくおか県央環境広域施設組合」が設立されました。

この組合は、地域の環境保全と資源循環の促進を目的としており、各市町の廃棄物処理やリサイクル活動を統合し、効率的かつ効果的に運営するために設置されました。

設立の背景

各市町が個別に行っていた廃棄物処理やリサイクル活動の効率化と効果向上を図るため、広域的な連携体制の構築が求められていました。また、環境問題の深刻化や持続可能な社会の実現に向けた取り組みが求められている中で、地域全体で協力し、環境保全活動を推進することが重要視されました。

組合の役割と目的

• 廃棄物の収集・処理の効率化とコスト削減
• リサイクル活動の推進と資源循環の促進
• 環境保全活動の強化と地域住民への環境教育
• 災害時における廃棄物処理体制の確立と迅速な対応

ふくおか県央環境広域施設組合議会

この組合は、２市２町がその事務の一部を共同して処理する為に設置されたもので、組合には議会が設置されています。２市２町の議会から間接選挙で選ばれた組合議員１５名（飯塚市８名、嘉麻市３名、桂川町及び小竹町それぞれ２名ずつ選出）で構成されています。

また、執行機関である組合長部局などに対し民主的なチェックを行うため、意見などを述べ、事務の管理、執行を調査するなど、市町議会と同様に各種の権限も与えられています。

役割

• 組合条例の制定・改廃のほか、組合予算の決定・決算の認定重要事項を決定する機関

この議会で今何が議論されているのか

飯塚市、嘉麻市、桂川町の家庭や事業所からでる生活ゴミ（一般廃棄物）は、この２市１町管内にある５つの処理施設で処理を行っています。

これらの施設は長期間の使用により経年劣化が進んでいるために、令和１２年度の開設を目標に既存の各施設の処理能力を集約した新たなごみ処理施設の建設計画について議論が行われています。

ちなみに議会構成については先程述べましたが、組合の組織構成は、組合長が武井政一飯塚市長、副組合長が赤間幸弘嘉麻市町、井上利一桂川町長及び井上頼子小竹町長３名となっています。

 

新しいごみ処理施設はどこにできるの？　　　　　　　　　　

新たなごみ処理施設の建設場所は、多数の候補地の中から収集運搬の効率性や経済性などを考慮して２市１町の中心付近となる現在ある処理施設「桂苑」の敷地の一部とその隣接地を選定しています。

 

施設の建設費及び運営費はなんと７４５億円

ごみ処理施設の候補地は選定されたのですが、このごみ処理施設にいったいいくら費用がかかるのか？
施設の建設費が議会で争点になりました。

執行部が、建設費に関してはっきりとした答弁を行わないので、組合議会から建設費が不明のまま計画が進むことに関し、異議が出ました。

何度も建設費の概算額の要求を行い、これまで建設費に関する答弁を曖昧にしていた組合も議会が紛糾し、建設計画が狂うことを危惧したのか、やっと議会に施設の建設費の上限価格と２０年間の運営費に関して答弁を行いました。その額約７４５億円とのこと。

それ以外に費用はかからないのか？

実は、施設の建設費と２０年間の運営費以外に関連事業費が下記のとおり必要と…

• 建設用地取得費・造成費　約４０億円
• 地域振興費用（周辺道路、水路等の整備費）　約１０億円
• 余熱利用施設整備費（温水プール等）　約２１億円

関連事業費は合計７１億円。

施設の建設費と２０年間の運営費と合わせるとなんと８１６億円もかかることがわかりました。

ところで８１６億円の事業費はどこがどのように負担するのか？

ところで８１６億円もかかるごみ処理施設の事業費をどのように工面するのか？

執行部はこの事業の財源を環境省交付金である「循環型社会形成推進交付金」をはじめ、活用できる条件が有利な地方債などで確保すると答弁しています。

• 循環型社会形成推進交付金　約１０３億円
• 地方債（一般廃棄物処理事業費など）　約３０３億円
• 一般財源　約３９億円

ごみ処理施設の設計・建設費４４５億円のうち１０３億円は国の交付金で賄い、残りの３４２億円のうち３０３億円は市の借金で賄うという計画です。

では３４２億円を２市１町でどのように負担するのか？

これまでにはっきりしたことは、設計・建設費のうち３４２億円、２０年間の運営費３００億円及びそれ以外の費用７１億円の合計７１３億円を２市１町が負担するということです。

これだけの負担をして各市町は今までとおりの市民サービスを行っていけるのか？

財政負担については長くなりましたので次回ご報告させていただきます。