ふるさと納税のカラクリを暴く!市民の声を置き去りにした不平等な予算配分を正せ!

飯塚市議会議員の兼本芳雄です。3年ぶりに行った一般質問の報告です。「ふるさと納税県内1位」の陰で進む、まち協予算の削減や自治会組織崩壊の危機など市民を置き去りにした不平等な予算配分を厳しく追及。切実な市民の要望へ平等に財源を配分する基金の創設や、ノーリスクな経済の見える化を迫った内容を詳しく解説します

🚨 1. ふるさと納税の「カラクリ」と不平等な予算配分

── 本来通常業務でやるべき事業へのすり替えと、市長公約への偏重

本市は市長の施政方針でも述べられた通り、ふるさと納税において大変喜ばしい実績を上げており、現場で尽力される職員の皆様には深く敬意を表するものです。しかしその一方で、本市は「令和13年度に財政調整基金(市の貯金)が枯渇するおそれがある」という非常に厳しい将来予測も抱えています

執行部への質疑を通じて、私はふるさと納税という財源をめぐる「驚くべきすり替えのカラクリ」を公にいたしました。 現在、実質的な純手取り額(活用可能額)として毎年約30億円規模もの巨額の資金が確保されていますが、これが具体的にどのような事業に使われているのか、市側(企画政策室長)が挙げた主な予定事業は以下のようなものでした

  • 【教育・文化・スポーツの充実】 教職員用の情報機器更新事業、小中学校外国語教育推進事業など

  • 【健康子育ての充実】 他市世帯保育料支援事業、市立病院小児科休日夜間診療事業、ヘルスケアプロジェクト事業など

  • 【生活環境・自然環境の整備】 県道新飯塚潤野線整備事業、バス路線維持、市運営の地域公共交通運行事業など

  • 【市長にお任せ】 小中学校間ネットワーク再構築事業、久保白ダム土地改良事業など

     ⏩ 飯塚市の令和6年度ふるさと納税寄附金活用事業報告はこちらから

これらの事業一覧を見て、市民の皆様はどう思われますか? これらは、ふるさと納税という特別な財源がなかったとしても、地方自治体として当然「継続、あるいは実施すべき通常業務」ばかりです。つまり、本来であれば市税などの一般財源を使って行うべき恒常的な一般業務の予算が、ふるさと納税という外部からの寄附金に丸ごと「すり替えられて」いるのです

そして、1件でも多くの寄附を増やそうと現場の職員が汗を流して頑張ってきた努力の結晶は、このように通常業務の穴埋めに回されるだけでなく、市長の選挙公約に基づく特定の政策(5つのまちづくり等)だけに偏って100%投入されているのが実態です

その結果、一般会計において本来使うはずだった市税(一般財源)の支出が抑制され、収支の適正化を図った結果として生じた最終的な「決算余剰金」が、地方自治法の規定に基づいてそのまま役所の貯金箱(財政調整基金)へと流れています。行政経営部長も私の指摘に対し、「ご認識の通り、剰余金が生じ、それが基金の積み増しに寄与している側面はある」と認めました。現に、財政調整基金の残高は令和6年度末の約73億1千万円から、令和7年度末見込みでは約74億5千万円へと、実に1億4千万円も増加しているのです

汗を流して集めたお金が、通常業務の穴埋めと市長公約にだけ使われ、最後は役所の貯金箱に入る――。これほどの不平等な予算配分の裏で、市民がどれほど苦労しているか、完全に無視されていると言わざるを得ません。全国の寄附者の皆様も、市民生活を置き去りにして役所の貯金を増やすための使われ方は、決して望んでいないはずです

❌ 2. 「市民の要望は優先度が低い」と言い放った市の冷淡な答弁

── 自治会崩壊の危機と、現場への「金集め」の丸投げ

ふるさと納税のおかげで役所の貯金が1億4千万円も増える金余りの陰で、足元の地域社会では、予算縮小による深刻なひずみと圧倒的な不公平感が生まれています。道路や河川の環境維持、地域コミュニティへの予算は削られ、地域からは戸惑いと不安の声が私のもとへ多数届いています

何よりも市民の皆様、そして現場が一番怒り、危機感を募らせているのが、各地区のまちづくり協議会に対する補助金の予算措置が、昨年度と比較して一律で減額されたことです。 市民協働部長も、地域の総会等を通じて「これまでの活動水準を維持することが厳しいという、切実な不安の声を直接伺っており、大変重く受け止めている」と現場の窮状を認めざるを得ませんでした。長年培ってきた行事運営や防犯、高齢者の見守り活動、地域イベントが、予算削減によってまさに崩壊の危機に瀕しているのです。さらに、地域の安全の要である街灯の維持などをめぐっては、隣組減少に伴う過酷な負担激化から、自治会組織そのものが根底から崩壊しかねないという強い危機感を地域は抱いています

これに対し、市側はあろうことか「足りない金は民間の助成金や企業の協賛金を集めて自律的な活動を維持しろ」といった趣旨の、現場へ責任を丸投げする答弁を行いました

私は即座にこの姿勢を強く批判しました。予算を減らしておきながら「民間の助成金や協賛金を自分たちで集めてこい」というのは、現場への行き過ぎた負担であり、責任の丸投げにほかなりません。本市の費用対効果の論理が見え隠れしています。そもそも、まちづくりにおいて短期的な費用対効果を求めるのは根本的に間違っており、地域の安心安全は長期的な視点で見るべきものです。さらに言えば、市の目標は「自治会加入率の向上」のはずです。加入率を上げたいと言いながら、中核である現場の予算を削り、「民間の金を頼れ」というのは完全に政策の矛盾です。現場を疲弊させながら、自治会に入ろうなどと言えるはずがありません。市自らがポリシーにブレーキをかけている矛盾を強く指摘しました

この他にも、各担当課の予算不足の限界と、市民に負担を強いる冷徹な事実が次々と明らかになりました

  • 【道路や公園の草刈り(都市建設部)】 近年の地球温暖化や大雨の影響で雑草の生育が早く、年2回の委託業務では草が伸びた状態が長く続き対応に苦慮しています。かつて地域活動で行われていた草刈りも、担い手不足や高齢化でできなくなっており、市への要望や苦情の嵐となっていますが、「現時点では予算の範囲内や人員の中で対応している」と、予算不足で困り果てている現状が浮き彫りになりました

  • 【農業基盤整備(都市建設部)】 水路やため池、用排水路の改良・しゅんせつといった地域からの大規模な要望に対し、予算確保が大きな課題であり、国や県の補助事業採択にも時間がかかるため、複数年の「実現待ち」状態が続いています。この間に飯塚の基幹産業である農業が衰退していくのを、ただ見ているしかないのが現状です

  • 【野良猫の不妊去勢手術(市民環境部)】 繁殖力が凄まじく、放置すれば住環境を脅かす深刻な問題ですが、保健所が殺処分をしない方針の中で、地域のボランティアが「個人で年間20万円以上の実費」を投じて手術を行っています。市側もこの事実を把握していながら、市としての地域猫活動支援事業は「予算の範囲内」でしか手術券を交付できず、市民の善意と身銭を切ったボランティア精神にただ乗りしている冷たい状態です。 

各担当課は一様に「予算の範囲内でしか対応できない」という現行制度の厳しさと、予算不足の限界をにじませる苦渋の答弁に終始しました。現場の職員の皆様も、決して市民を突き放したいわけではないことは分かります。しかし、現行の枠組みの中ではこれ以上の対応が不可能だという制度の壁としわ寄せによって、地域の市民が今この瞬間も身銭を切り、多大な負担を強いられているという冷徹な事実だけは重く残されています

私が「市民が多大な負担を強いられている切実な要望は、本市にとって優先度が低い事業だから予算を増やせないのか」と、経営トップである市長としての認識を真っ向からただしました

しかし、ここでまず答弁に立った企画政策室長は、言葉を濁しながらも次のように言い切ったのです

📌 【企画政策室長の答弁】 「将来の財政状況が厳しくなると想定される現状では、市民全体の行政サービスの維持充実と持続可能な行政運営を次世代に引き継ぐということだと捉え、限られた財源をいかに効率的、効果的に活用するかを市政運営の判断材料とすべき」 「市の財源には限りがございます。その中で、行政が全ての要望をかなえることは困難でございます」

これは「財政が厳しいから、市民の身近な生活課題やボランティアへの支援は後回し(優先度が低い)になっても仕方がない」と冷淡に突き放した内容にほかなりません

私はさらに「市長自らの選挙公約に基づく政策だけに予算を全部突っ込み、市民の切実なSOSを予算がないと切り捨てる不平等さを今すぐ正してください」と市長の政治姿勢を強く迫りました。これを受け、最終的に武井市長が自ら壇上で答弁した内容は以下の通りです

📌 【武井市長の答弁】 「私が掲げている5つのまちづくり等だけに予算を投じているわけではございません。総合的に、市の様々な義務的な経費もございますし、通常、経常的なもの、政策的に、若干でございますが、今やってるものもあります」 「真に市の財政には限りがございます。その中で、行政が全ての要望をかなえることは困難でございますので、市としてどうしても優先すべきは、特に、将来の財政状況が厳しくなると想定される現状では、市民全体の行政サービスの維持充実と持続可能な行政運営を次世代に引き継ぐということだと捉えているところでございます」 「そういう意味で、限られた財源をいかに効率的、効果的に活用するのか、今日の様々頂きましたご指摘も踏まえまして、市政運営の判断材料とさせていただきたいと思っているところでございます」

市長は公約偏重を否定しつつも、結局は室長の答弁をなぞるように「財源の限界」を言い訳にし、「全ての要望をかなえることは困難」と、冷たく拒否する姿勢を崩しませんでした

この市長答弁に対し、私は間髪入れずに最後の反論を行いました

📌 【兼本芳雄の反論】 「市長、1億4千万円、財政調整基金が上がるんです。このふるさと納税がなかったら赤字なんです。そうであるならば、この1億4千万円は少なくとも平等に、ふるさと納税のおかげで余ったお金なんですから、地域の住民の皆さんの要望に充てるというのが私は筋だと思います

市長や執行部がいくら「財政難」を盾に言い訳をしようとも、ふるさと納税という仕組みを活用した結果、一般会計の予算編成で浮いたお金が回り回って、役所の貯金(財政調整基金)を1億4千万円も押し上げているのは紛れもない事実です。ふるさと納税がなければ赤字になるような財政状況の中で、これだけの余剰金が生み出されているのであれば、それを役所の貯金箱に眠らせるのではなく、市民の皆様の切実な要望に平等に充てることこそが政治の「筋」ではないでしょうか

幸いにも、市長の口から「今回のご指摘を踏まえ、市政運営の判断材料とする」との言葉を引き出すことはできました。この言葉を口先だけの言い逃れに終わらせぬよう、市民の生活インフラを守る「地域生活インフラ維持基金」の創設に向けて、これからも徹底的に監視と提言を続けてまいります

自らの公約の優先順位の政策だけに予算を全部使って、市民の切実な要望を予算がないと切り捨てる不平等さを今すぐ正すべきです。年度末に残る巨額の資金、あるいは使途をロックした「地域生活インフラ維持基金」を今すぐ創設し、すべての市民へ平等に還元することを強く求めました。

📈 3. 予算リスクゼロ!場を提供する「経済の見える化」への転換

── 地元の強みを結ぶ、ノーリスク・ハイリターンな決済データ実証実験

財政調整基金の枯渇という厳しい将来予測に対し、歳出削減というマイナスの手法以外で、本市がどうやって自前で稼ぎ、歳入を増やすのかという具体的な「ミクロの経済人口施策」が不可欠です

私はこの議会で10年ほど前から、「経済の見える化」、つまり各世代の市民の資金の流れ(決済データ)を正確に把握し、それに基づいたピンポイントの政策を打つべきであると訴え続けてまいりました。それこそが、今まさに生活苦にあえぐ市民の現場のSOSに、一刻も早く正確に手を差し伸べる唯一の方法だからです

今回、ブロックチェーン技術やデジタルバンクがここまで進んだ今だからこそできる、「市側はお金を一円も出さない発想の転換」を提唱しました

長年、本市が掲げてきた「IT特区」の看板や「日本初のブロックチェーン推進宣言」の実績を活かし、飯塚市というまちそのものを、金融機関がのどから手が出るほど欲しがっている生の資金の流れ、いわゆる「決済データの実証フィールド」として提供するのです。地元の優れたブロックチェーン企業の技術と、地元銀行が持つ決済インフラを安全に結合させ、集まった生データを九州工業大学や近畿大学のデータサイエンスチーム(飯塚経済分析ラボ)がリアルタイム分析する「官学金産連携」の構築です

これであれば、市にシステム開発費の予算消費リスクも、開発の失敗リスクも1ミリも発生しません。お金を一切使わず、場を提供するだけで、市民の生活を救う地域経済の可視化が実現するのです

このノーリスク・ハイリターンな提案に対し、経済部長からは以下の前向きな答弁を得ることができました

📌 【経済部長の答弁】 「提示されたご意見は、現在の本市の取組をさらに発展させる可能性があり、特にノーリスクハイリターンという観点で有意義であると考えている。今後、金融機関をはじめとした関係各所の具体的な連携案の策定等を進め、市民の生活支援と地域経済の活性化に資する実証実験の実現に向けて、検討してまいりたい」

私の提案の真意を深くご理解いただき、本市にとって極めて有意義な提案だと認めていただきました。予算がかからないわけですから、あとは市長の政治的なトップ判断によって、地元の銀行や大学につなぐ場を提供する決断をするだけです。市長の政治的頭脳を使っていただき、真のミクロ経済政策を達成できるよう、今後も強く働きかけてまいります

🚌 4. 福岡県域を狙うベッドタウン戦略と「STEAM教育」の未来投資

── 年間1600万円の投資で、4倍以上のリターンを呼び込む交通政策

福岡県域からの人口流入を狙うベッドタウン戦略と未来投資について、執行部へ具体的なミクロの交通生活政策を提案しました。福岡からの人口流入を拒む筑豊との文化の壁を乗り越えるためには、圧倒的な教育の魅力と同時に、日々の交通の利便性が必須です

私は、福岡の子育て世代を本市に手繰り寄せるため、一歩踏み込んだ「通学券・通勤券の思い切った補助」を要望しました。 新飯塚駅から博多駅への通勤定期(6か月14万8900円)のうち、企業手当からはみ出る自己負担分の差額(月約5,000円)を市が補助し、さらに高校生の通学定期(6か月5万7050円)の半額(月約4,250円)を市が補助するという具体的な試算です

仮に通勤100人、通学200人をサポートした場合、必要な予算は年間で合計約1,600万円にすぎません。これに対し、この先行投資によって福岡県域の子育て世代(年収500万円想定)が本市にとどまれば、約2,000万円以上の市民税がダイレクトに入ります。さらに、子どもたちを含めた人口が維持されることで、国からの地方交付税が数千万円規模で加算されます。合わせれば、投資額の実に4倍近いリターン(数千万円規模)が飯塚市に返ってくる、極めて費用対効果の高い戦略的な「未来投資」なのです

交通政策を担当する市民協働部長からは、「JR定期代補助については公平性や必要性を慎重に検討する必要がある」としつつも、毎年飯塚市長が会長を務める連絡協議会等を通じて「JR九州に対し、電車の増便やスピードアップを図るための複線化、通勤通学時間帯の車両増便などの要望活動を行っており、今後も粘り強く要望を継続していく」との答弁を得ました。単なるコストではなく、住み続けてもらうための確実な先行投資として、引き続き実現を迫ってまいります

── 大学入試を圧倒する「12年一貫のSTEAM教育」とトップセールス

福岡県域の子育て世代は、過密な受験戦争と高い教育コストに悩んでいます。彼らが求めているのは、我が子を確実に大学へ進学させる圧倒的な教育の実技です。博多駅から40分強の本市がその受け皿になるかどうかが、社会増の鍵を握っています

そこで私は、本市が誇る「STEAM教育」を小学校から高校までの12年間の一貫教育としてつなぎ、「飯塚市高校生地域課題解決プラットフォーム」を創出することを提唱しました。 小中は市立、高校は県立や私立という縦割りの壁があるからこそ、政治の力の出番です。教育委員会任せにせず、市長が主体となって枠組みを超えた舞台を作ります。高校生が飯塚のリアルな課題解決をプレゼンし、市がそれを実際の施策として受け入れる。この「まちづくりに貢献した圧倒的な実績」は、現在の大学入試の主流である総合型選抜において、我がまちの子どもたちが他を圧倒する最高のキャリア証明(武器)になります

さらに、市長自らが先頭に立ち、市内の九工大・近大、さらには福岡県域の九州大、西南学院大、福岡大等の主要大学トップと直接交渉し、飯塚の地域課題解決に関わった生徒に対する「独自の推薦枠」を勝ち取ってくるトップセールスを行うよう、市長の強いリーダーシップを求めました

🗳️ かねもと芳雄の決意

私の厳しい指摘に対し、武井市長からは「掲げている公約だけに予算を投じているわけではない。市の財政には限りがありすべての要望をかなえることは困難だが、本日いただいた様々なご指摘を踏まえ、市政運営の判断材料とさせていただきたい」との答弁がありました

行政の財源に限りがあるからこそ、限られた財源を特定の公約だけでなく、いかに効率的・効果的に、そして何よりも「市民へ平等に」活用するかが問われています。予算がないと市民のSOSを切り捨てる不平等さを正し、ふるさと納税の効果をすべての市民へ平等に還元できる「地域生活インフラ維持基金」の創設をはじめ、市民の皆様が「飯塚に住んでよかった」「これからも住み続けたい」と思える安心安全なまちづくりに向けて、これからも現場の声をカタチにするため全力で邁進してまいります。

当日の質疑の様子は、以下の動画からも直接ご覧いただけます

⏩ 兼本芳雄の一般質問・本会議録画映像(YouTube)

飯塚市の未来をつくる政策は【かねもと芳雄の議会報告】からご確認いただけます。

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