【決算特別委員会レポート】地域猫活動支援事業の予算が50万円以上も余っていた!?ボランティアが身銭を切る「冷たい制度」の矛盾
飯塚市議会の令和7年度決算特別委員会において、私が強く取り上げたテーマの一つが「地域猫活動支援事業」の実態です。
「市にはお金がない」と、市民生活の支援や身近な環境整備が後回しにされる一方で、予算がついているにもかかわらず現場でまったく使われていないお金がある――。今回の決算審査で浮き彫りとなった、行政の硬直した現実と、私の考えについてご報告します。
1:予算は約64万円、しかし実際に使われたのはわずか14.2万円
令和7年度決算特別委員会で提出された資料を拝見し、私は言葉を失いました。
野良猫による生活環境の悪化を防ぎ、不幸な命を増やさないことを目的に組まれていた「地域猫活動支援事業」において、予算額約64万4千円に対し、実際に使われたのはわずか14万2千円にすぎませんでした。つまり、50万円以上もの大切な予算(不用額)が、そのまま使われずに余ってしまったのです。
なぜ、これほどの予算が眠ってしまったのか。その原因は、行政が設けた制度のハードルがあまりにも高すぎる点にあります。
補助を受けるためには「自治会の合意」など、現場の現状に合わない厳しい条件をクリアしなければならない。
その結果、制度が始まってから登録団体はわずか数団体にとどまり、今年度にいたっては市内で「たった1団体」しか登録されていない。
しかも、執行部との質疑の中で、「今後、新たに地域猫の登録団体が増える見込みはない」という現実行政の限界も明らかになりました。
「今後も団体が増えることはない」と分かっていながら、使いにくい制度をそのまま温存し、予算を余らせている。これが、行政の冷徹な実態です。
2:行政は実態を知りながら、予算を余らせ、現場のボランティアは「自腹」を切る
令和7年度決算特別委員会の中で、執行部も「個人のボランティアの皆さんが自費を投じて不妊去勢手術を実施されていることは把握している」と、その事実を認めました。
行政が現場の実態を知りながら、「計画通りに執行できなかった」と机上の数字で片付けているその裏で、実際の地域はどうなっているでしょうか。
行政の手が届かないところで、ボランティアの皆さんが年間数十万円もの自腹(身銭)を切って、野良猫の不妊去勢手術を行っています。ふん尿被害や鳴き声によるご近所トラブルを防ぎ、地域の静かな環境を守るために、ボランティアが私財を投げ打って必死に汗を流しているのが偽らざる現実です。
「行政は実態を知りながら予算を余らせ、現場の市民には身銭を切らせている」
この不条理な構造を放置することは、市民の善意にただ乗りしていると言われても仕方がありません。現場の切実なSOSに寄り添うべき市が、実態を分かっていながら使いにくい制度の壁を盾に見過ごしている状況は、改めるべき大きな矛盾です。
3:かねもと芳雄の提案「使いにくい仕組みから、直接支援の助成金へ」
今後も新しい団体が増える見込みがない以上、このまま形骸化した予算を毎年ただ余らせておくような硬直した仕組みに固執し続ける意味はありません。
「自治会の合意」といった高いハードルを課す『地域猫』という枠組みだけに縛られず、現場で実際に身銭を切って汗を流している個人のボランティアの皆さんに、直接手術費用が届く『さくら猫の不妊去勢助成金制度』へと抜本的に切り替えるべきです。
「市にお金がない」のではなく、「市民の切実なSOSに寄り添う姿勢があるのかどうか」という、政治の優先順位が問われています。
税金は、役所の貯金箱を増やすためや、使われないまま眠らせるためにあるのではありません。市民の暮らしを守り、地域環境の改善に奔走する方々の負担を軽くするためにこそ使われるべきだと、私は確信しています。
これからも現場のリアルな声に耳を傾け、市民の皆様の生活を温かく支える市政への転換に向けて、全力で取り組んでまいります。
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