新ごみ処理施設建設計画の真実と急展開の裏側 ④
半年間の沈黙から突如浮上したスケジュール案〜緊迫の質疑と「交付金ありき」の暴走〜
市民の皆様、日頃より温かいご支援と市政への貴重なご意見をいただき、心より感謝申し上げます。
飯塚市議会議員・ふくおか県央環境広域施設組合議員のかねもと芳雄です。
※本記事の審議内容および発言要旨は、ふくおか県央環境広域施設組合 公式YouTube配信(録画アーカイブ)の映像・音声を基に作成したものです。
令和8年2月の組合議会定例会において、不透明な土地購入契約議案が数の力で可決されてから約半年間、組合の動きは完全に止まっていました。 そして令和8年8月10日、突如として「ごみ処理施設整備に関する特別委員会」が招集されました。
執行部から示されたのは、またしても「中身(適正規模・全体計画)が決まっていないのに、造成やコンサル委託のスケジュールだけを先行させる」という本末転倒な見直し案でした。
当日の委員会でどのような質疑が交わされたのか、時系列に沿って発言者ごとのやり取りを詳しくご報告いたします。
特別委員会の緊迫の質疑とやり取り
1. 秋田市の大規模改修事例に関する質疑
【道祖満 委員(飯塚市)の質問】
前回定例会で求めていた「秋田市総合環境センター」の大規模改修について、どのような規模で、改修によりどの程度延命化を図ったのか。また、飯塚市クリーンセンターの大規模改修との違いは何か。
【執行部(再編推進室長)の答弁】
秋田市の施設(日量460t)は飯塚市と同じシャフト炉式を採用している。令和17年度の新施設開設までの約10年間の延命化を図るため、令和2〜6年度に約54億円を投じて2回目の大規模改修を行った。飯塚市クリーンセンターは新設方針決定に伴い2回目の大規模改修を行わず、修繕等で対応してきた点が異なる。
【道祖満 委員の提言と組合長への要望】
秋田市が2度の改修を経て約33〜35年の稼働を見込んでいることを踏まえれば、新工場の完成が遅れる現状において、災害対応や安定稼働を守るためにも新施設建設と並行して既存施設(飯塚市クリーンセンター・桂川町桂苑)の大規模改修を検討すべきではないか。
また、紙おむつリサイクルや生ごみの水切り徹底など、市民協働による「ごみ減量化」を強力に進めて新施設の規模を縮小すべきだ。
【武井政一 組合長(飯塚市長)の答弁】
ごみ減量化の重要性は認識しており、構成市町と連携しながら組合内でもしっかり受け止め、いただいた意見を踏まえて検討していきたい。
2. 新施設建設「スケジュール見直し案」の提示と50億円の減額リスク
【執行部(再編推進室長)の説明】
令和8年8月に臨時会を開いて補正予算を諮り、令和8年9月から用地の境界復元・伐採・除根(約2年間)、造成設計などを順次進めるスケジュール案を提示。
国の「循環型社会形成推進交付金」の制度改正により、令和10年度以降の着工では交付金上限が新設されて約50億円減額される恐れがある。令和9年度中に除根作業(開発行為)に着手すれば旧制度の上限なし要件が適用できるため、早期着手を目指したい。
3. 造成先行への疑問と、私「かねもと芳雄」の追及
【中島廣東 委員(嘉麻市)の質問】
新施設の規模が決まっていないのに、先行して造成工事の設計コンサル契約を結ぶのは税金の無駄遣いではないか。
【執行部(再編推進室長)の答弁】
平場面積約3ヘクタールの造成は、100トン超の施設運営(パッカー車の動線やストックヤード確保等)において必要最低限の面積であると考えている。
【かねもと芳雄(飯塚市)の追及】
執行部は造成面積3ヘクタールを「必要最低限」と言うが、各市町の一般廃棄物処理基本計画で将来人口やごみ排出量の見直しを行っている最中ではないか。処理量が決まっていないのに、どうして必要最低限の面積が算出できるのか。
【執行部(再編推進室長)の答弁】
「必要最低限」という表現は適切ではなかった。ただ、100トン超の施設を稼働させる場合、安全性を確保する上で3ヘクタール程度は必要になると認識している。
【かねもと芳雄の再追及】
最低限が100トン超と言うが、110トンなのか150トンなのか具体的な数字がなければ判断できない。国への交付金申請も現状に合わせて見直すべきであり、中身が決まらないまま造成を進めるのは筋が通らない。
また、飯塚市の委員会では「広域組合の計画が決まらないと市の計画が進まない」と言われ、ここでは「市町の計画をすり合わせている」と言う。全く意思統一が取れていないため、各市町の進捗状況をまとめた資料を提出してほしい。
➜ かねもとの資料要求が認められ、各市町の進捗資料を8月末を目途に全議員へ郵送配布させることが決定しました。
4.自治体間のズレ、道祖議員の「1年先送り」提案、組合長答弁と林議員の反対
【赤尾嘉則 委員(飯塚市)の質問】
自治体の基本計画と組合の計画はどちらが優先されるのか。
【執行部(再編推進室長)の答弁】
各自治体が立てた計画を集約したものが組合の計画となる。
【田中義幸 委員(嘉麻市)の指摘】
飯塚市・桂川町が今年度中に見直す一方、嘉麻市の基本計画見直しは来年度だ。2市1町の計画が出揃ってすり合わせるのが先決。市民生活のニーズより国の交付金スケジュールを優先して焦っているようにしか見えない。
【道祖満 委員(飯塚市)の「1年先送り」提案】
嘉麻市の基本計画見直しが来年度になるのであれば、広域組合の基本計画策定も嘉麻市に合わせて1年間延ばせばよい。国の交付金要件についても、令和9年(2027年)3月末までに除根作業に着手できれば旧制度の対象に間に合うはずだ。まだ1年間の猶予があるのだから、嘉麻市の計画策定を待って全体像が完全に見える形にしてから、新施設の規模や造成面積をじっくり検討すべきではないか。 また、新設と並行して既存施設の大規模改修についても改めて考えていただきたい。
【武井政一 組合長(飯塚市長)の答弁】
議会の皆様方のご意見を聞きたいということで今回説明資料をお示しした。本日いただいた田中委員や道祖委員からのご意見をしっかり踏まえ、また検討させていただきたい。
【林英明 委員(桂川町)の反対意見】
大規模改修には多額の費用がかかり、期間が延びれば物価高騰を招く。もし着工が遅れて50億円の交付金を棒に振ることになれば住民にとって最大の打撃となる。大規模改修には反対であり、交付金確保のためにも早期に新設を着工する方向で進めるべきだ。
5. 処理方式・公募の検証・トータル費用の不透明さ
【中島廣東 委員(嘉麻市)の質問】
過去のコンサル委託費(約2億5,000万円)への説明責任を果たすべきだ。また、田川市郡「さくら環境センター」のように第3者委員会を設置して処理方式を選定すべきであり、前回の要求水準書が公平であったか検証が必要だ。
【吉田健一 委員(飯塚市)の提案】
施主である組合が最初から処理方式を一本化して発注すれば、コンサル費用や時間の大幅な節約になるのではないか。
【城丸秀高 委員(飯塚市)の指摘】
地球温暖化対策の観点からも、CO2排出量が大幅に少ないストーカー方式などを積極的に選定すべきだ。
【江口徹 委員(飯塚市)の要求】
国の整備手順書に照らせば、基本計画の策定に戻った以上、嘉麻市の改定も含めて足並みを揃えるべきだ。新施設の本体費だけでなく、余熱利用施設、既存施設の解体費、大規模改修費を含めたトータルコストの全体像を次回までに提示してほしい。
➜ 予定時間を過ぎても質疑は尽きず、多数の資料要求が出されたため、議論は次回委員会へ継続となりました。
【かねもと芳雄の考察】責任転嫁のスケジュール論と、問われる議会の役割
今回の特別委員会を振り返り、私は執行部の姿勢と議会審議のあり方について、強い危機感を抱いています。
① 「遅延の責任」を議会へ転嫁し、交付金を盾にする執行部
執行部は「令和10年度以降の着工では交付金が約50億円減額されるから時間がない」と焦りを露わにし、あたかも議会の慎重な審議が計画を遅らせているかのような説明を行いました。
しかし、そもそもスケジュールがここまで逼迫した根本原因は何だったのでしょうか?
- 議会や市民に対する詳しい資料・十分な情報の提示がなかったこと
不動産鑑定とかけ離れた不透明な土地購入予算(議会で2度否決)
市民8,000人超の署名による見直し要求と組合長の見直し表明
重大なミスによる契約書不備での前代未聞の議案取り下げ
これら執行部側の不誠実な進め方、ずさんな事務処理、不十分な情報開示の積み重ねこそが、計画をストップさせた真因です。
議会が問題点を追及し、ブレーキをかけたのは、市民の血税を守るための正当なチェック機能が働いた結果に他なりません。自らの失態を棚に上げ、「交付金が減る」と迫って見切り発車のスケジュールを押し通そうとする姿勢は、あまりにも無責任です。
② 組合長が「検討」を示した中での議会チェック機能への疑問
道祖議員からの「嘉麻市の見直しを待って1年間延期し、全体像を精査すべき」「既存改修も並行検討すべき」という提案に対し、武井組合長自らが『しっかり受け止めて検討したい』と前向きな姿勢を示しました。
ところが、トップである組合長が検討の余地を認めた直後、執行部をチェックすべき立場であるはずの議会側の議員である林英明 委員(桂川町)から「改修は費用がかかる」「交付金のために早く進めるべき」と、検討そのものを否定する反対意見が出されました。
もちろん多様な立場があるのは承知していますが、二元代表制において議会は、執行部の提案を無批判に急がせる機関ではありません。「あらゆる選択肢を精査させ、最も税金の無駄がない方法を徹底的に検証させるチェック機関」のはずです。執行部の拙速な論理に同調して議論の幅を狭めてしまう姿勢には、議会本来の監視機能として大きな疑問を感じざるを得ません。
③ 嘉麻市の足並み無視とトータルコストの隠蔽
道祖議員が指摘した通り、令和9年3月末までに除根に着工できれば、旧制度の交付金要件には間に合います。まだ猶予があるにもかかわらず、来年度に計画見直しを控える嘉麻市を置き去りにして走り出そうとするのは、広域組合の信頼を根底から壊す行為です。
さらに、新設本体費だけでなく、既存施設の延命改修費や将来の解体費まで含めた「真の総事業費」を隠したまま進めることは絶対に許されません。
結びに代えて:市民のための「適正規模(ダウンサイジング)」を求めて
ごみ処理施設は、市民生活を守る最重要インフラです。しかし、だからこそ「市民への説明責任」と「最少の経費で最大の効果(地方自治法第2条第14項)」が守られなければなりません。
私「かねもと芳雄」は、目先のスケジュールや交付金に踊らされることなく、徹底したごみ減量化とダウンサイジング(適正規模化)を求め、次回の特別委員会でも妥協のないチェックと提言を続けてまいります!
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👇 当日の委員会全体の様子は、以下の組合公式YouTube配信よりご確認いただけます。

